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磁石・磁気の用語辞典(用語解説)
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【ガウス】

ガウス(Gauss)

「西暦1800年の前半に地磁気の研究で活躍した数学者でもあるカール・フリードリヒ・ガウスと後にその功績を称えて命名された磁束密度の単位(CGS単位系)を指す。」

概念的には、磁極の単位面積(1cm2)当りの磁力線の本数を表すと考えて良い。

地磁気の強さ(主に水平成分)・偏角(地理上の真北との角度)・伏角(水平面との角度)が地磁気の三要素で、地球上の場所により異なった値になる。地磁気には場所によって強弱があることを最初に見つけたのが、ドイツの探検家であり博物学者のアレクサンダー・フォン・フンボルトで、1799年から1804年にかけて中南米を探検した際に、地磁気の強さは極地から赤道に向かうにしたがって減少することを発見し、帰国後学会に発表すると同時に世界的な同時観測の必要性を主張した。

フンボルトは同時代の科学者とも親交があり、数学者のカール・フリードリヒ・ガウスと物理学者のヴィルヘルム・ウェーバーを地磁気研究の世界に引き込み、この二人による本格的な研究がスタートした。

ガウスはまず地磁気の強さを正確に測定するためには、基準となる単位系の確立が必要であることを主張しました。フンボルトは赤道に近づくにつれ地磁気が減少することを、方位磁石の針の振動周期が緯度によって変化することから発見したが、誤差も大きなものであった。ガウスは誤差の少ない計測方法として、離れた位置に吊るした磁石棒の振動周期を望遠鏡で測定する磁力計を考案した。おもりをつけた状態の測定値と、おもりをはずした状態の測定値の差を数学的に処理することにより、誤差の少ない絶対的な測定が可能となった。こうして初めて地磁気の強さが、長さ・質量・時間という物理量で表せるようになり、ガウスとウェーバーはこの磁力計によって、地磁気の日変化も実証し、1833年ドイツ・ゲッティンゲンにおける世界初の地磁気観測所の誕生にも尽力した。その後地磁気観測のネットワークは世界中に拡大して行った。

ガウス亡き後、1881年パリの国際電気会議で初の絶対単位系の導入が決議され、これが現在のCGS単位である。このとき、ウェーバーの提案で、ボルト、アンペア、オーム、ファラッドとともに、ガウスが磁束密度の単位として採用されることになった。