(3)電磁気学の集大成から応用・実用化へ
■ 西暦1864年:マクスウェルの電磁方程式
ファラデーの電磁気理論をもとに、スコットランドのジェームズ・クラーク・マクスウェルは、1864年、“電磁方程式“を導き出し、古典電磁気学を確立しました。マクスウェルは当時のあらゆる分野の科学に精通していて、希に見る天才だったようです。ファラデーはその優れた直観力と数多くの実験で大きな功績を残していますが、数学的才能には若干欠けていた面があり、自身の電磁気理論を数学的に明快に表現することはできませんでした。マクスウェルはその理論を数学的に見事に解決したわけです。
1865年、「電磁場の力学的理論」の初版をロンドンで発刊し、その中で電磁方程式の帰結として、電磁波の存在を予言し、電磁波と光の速度は等しいことを証明して、光は電磁波であることを明らかにしました。この理論は後のアインシュタインの相対性理論確立の基礎となったといわれています。
このマクスウェルの方程式により、古典電磁気学はいったん区切りをつけ、時代は電磁気の応用、実用化の競争に走り出してゆきました。