ネオジム磁石
製品情報現在、世界で最も強力な磁石です。わずか数cmの大きさで、10kg以上の吸着力!アイデア製品、新製品開発に最適です。
サマコバ磁石
製品情報温度特性に優れているため温度安定性が要求される用途に適しています。防錆のための表面処理は不要です。
フェライト磁石
製品情報酸化鉄を主原料にしているため、低コストが重視される用途に向いています。錆の心配はありません。
表面磁束密度
吸着力計算ご希望の磁石の表面磁束密度、吸着力、限界使用温度などを計算いたします。径方向着磁にも対応いたしました。
磁石・磁気の
用語辞典磁石・磁気に関する用語解説集。専門書にも負けない豊富な内容で、初心者からプロまで幅広くご利用いただけます。
磁石の歴史
大昔の磁石、磁気科学の歴史、強力な磁石が出現した背景など多くの図表を使って解説しています。
磁石プロの視点
2025年9月16日
高性能バルク磁石のための強加工技術開発
<磁石プロの視点>
現在、産総研で研究開発を行っているSmFeN系材料は非常に酸化し易く、不安定な材料です。そのため、永久永久磁石にするための過去の実用化開発ではボンド磁石としてのアプローチをメインに考えられてきました。しかし、ボンド磁石では焼結型ネオジム磁石に匹敵するような磁気性能を得ることは到底無理であり、焼結型ネオジム磁石のような高密度化したバルクのSmFeN系磁石の出現が望まれています。
そこで、Sm2Fe17N3磁石の実用化を目指す産総研の開発プロジェクトは、まず第一に焼結型Sm2Fe17N3磁石でバルク化を計ろうとしています。そのための克服しなければならない技術課題をいくつか取り上げ、そのための開発プロジェクトを複数立ち上げています。
本稿ですでにご紹介してきましたが、例えば「高品質なサブミクロンサイズ希土類磁石粉末の合成」、「熱プラズマ法による金属ナノ粉末合成技術の開発」、「低酸素微粉砕技術の開発」、「粉末コーティング技術の開発」、「低酸素粉末冶金技術の開発」などがあります。これら各工程に共通して求められる技術は、いずれも「極低酸素雰囲気中で稼働」させるという難しい技術です。
一方、産総研は焼結型ではない別のアプローチでバルクのSm2Fe17N3磁石の実用化も試みています。
以下にそのプロジェクト「高性能バルク磁石のための強加工技術開発」をご紹介します。
この技術は、すでにネオジム磁石でダイドー電子が実用化している「熱間加工ネオジム磁石」と類似している技術になるようです。この熱間加工ネオジム磁石は、ネオジムボンド磁石の材料と同様、超急冷法によって作られたネオジム・鉄・ボロン(NdFeB)粉末をホットプレスしたのち、特殊な熱間加工により成形して異方性磁石にする製法で製造されます。微細結晶組織を保ったままホットプレス、熱間押出し成形を行い、理論密度に近い高密度と高いラジアル配向度を実現して、焼結磁石に近い性能を得られというネオジム磁石です。
今回の表題の技術が「熱間加工ネオジム磁石」どれほど近い技術かの詳細は不明ですが、高密度バルク型SmFeN系磁石の実現を目指す方策として、ひとつの有力な技術であることは間違いありません。
磁石虎の巻!!
2025年9月9日配信
ネオジム磁石のすべて(21)<永久磁石の温度変化-4>
磁気性能に対する耐熱性に対してはネオジム磁石の形状(パーミアンス係数)や保磁力Hcj、Hcbが大きく関係してきますが、前回は高Br、低Hcj・Hcbの材質N50について、減磁曲線の形とパーミアンス係数がどのように不可逆減磁・熱減磁が関係してくるかということと実際の形状と放置温度の測定結果について調べてみました。
そこで、今回は中Br、中Hcj・Hcb材質および低Br、高Hcj・Hcb材質について、前回と同様な手法でそれぞれの材質の不可逆減磁・熱減磁について考察してみました。
<高Br・低Hcj材(N45SH)の場合>
N45SHの減磁曲線とパーミアンス係数
次図は前回と同様にN45SH材の減磁曲線に4本のパーミアンス係数の直線を入れたものです。SH材質は、150℃から200℃前後への温度上昇の可能性がある場合や、それほど高温ではない使用環境でも、磁気回路の中で強い逆磁場がかかったり、磁石を薄い形状にせざるを得ない場合などに良く選択される材質です。

N45SH材の減磁曲線とパーミアンス線
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