ネオジム磁石
製品情報現在、世界で最も強力な磁石です。わずか数cmの大きさで、10kg以上の吸着力!アイデア製品、新製品開発に最適です。
サマコバ磁石
製品情報温度特性に優れているため温度安定性が要求される用途に適しています。防錆のための表面処理は不要です。
フェライト磁石
製品情報酸化鉄を主原料にしているため、低コストが重視される用途に向いています。錆の心配はありません。
表面磁束密度
吸着力計算ご希望の磁石の表面磁束密度、吸着力、限界使用温度などを計算いたします。径方向着磁にも対応いたしました。
磁石・磁気の
用語辞典磁石・磁気に関する用語解説集。専門書にも負けない豊富な内容で、初心者からプロまで幅広くご利用いただけます。
磁石の歴史
大昔の磁石、磁気科学の歴史、強力な磁石が出現した背景など多くの図表を使って解説しています。
磁石プロの視点
2025年3月31日
低酸素微粉砕技術の開発
<磁石プロの視点>
本研究開発は、ポストネオジム磁石であるSm2Fe17N3焼結磁石の実用化を目指すことが主な目的ですが、一方では、性能面で頭打ちになりつつあるネオジム焼結磁石の一段の高性能化や低コスト化にも貢献できることになると思われます。
近年、ネオジム磁石の各メーカーはネオジム焼結磁石のHcjを低下させることなく、いかにジスプロシウムDyの含有量を減らせるかを考えてきました。その方法のひとつとして焼結体の結晶粒を微細化するとHcjが増大することに着目して技術開発を行ってきました。その結果、材料粉をより小さく細かくしながらも粉砕工程や成形工程で酸素量を徹底的に低く抑え、焼結体の結晶粒を従来の5~10μmより小さくすること(3~5μm)に成功しました。この技術によりDyの含有量を減少させてきましたが、一部の特殊な製法、材質を除き、まだDy含有量を限りなくゼロにすることはできていません。
本研究はこのような課題に対して、さらに微細なネオジム磁石焼結結晶粒を可能にする極低酸素量産工程への道筋をつけることになりそうです。
磁石虎の巻!!
2025年4月配信
ネオジム磁石のすべて(11)<磁石のパーミアンス係数>
あらゆる形の磁石には磁化と反対方向の磁場、つまり「反磁場」が必ず発生します。永久磁石のほとんどの磁束・磁力線はNからSに向かって磁石の外を通っていますが、中には磁石の中をショートパスするものもあります。このショートパスした磁力線の向きは外部の磁力線とは反対の方向を向いていますから、この磁束分が反磁場となります。なお、磁束の通りやすさ(反磁場の少なさ)を表す量をパーミアンスといい、単位は磁気抵抗の逆数のWb/Aになります。ただし、一般的な磁気回路計算には以下の章で説明しますパーミアンス係数を使用することが多いようです。
<反磁場とパーミアンス係数>
ここで反磁場を「Hd」とすると、Hdは磁化の大きさ「J」に比例し、
Hd=-NJ
のようにあらわされます。このときNは「反磁場係数」と呼ばれ、永久磁石の形状によって決まる数値です。通常、反磁場係数Nの代わりに、
Pc=-Bd/Hd (ただし Bd=J-Hd)
で定義される「パーミアンス係数Pc」を使って磁場解析をすることが多いようです。
一般的には磁化方向と垂直な断面積が大きいほど、また磁化方向の厚みが薄いほど反磁場Nは大きくなり、逆にパーミアンス係数Pcは小さくなります。磁石が薄いほど磁極面から磁石の中をショートパスする磁束の比率が多くなることは次図のように概念的にもわかると思います。

パーミアンス係数Pcも反磁場係数Nと同じように、磁石の形状によって決定されます。パーミアンス係数Pcと反磁場係数Nの間には、
Pc=(1-N)/N
のような関係が成立ちます。