希土類磁石(ネオジム(ネオジウム)磁石、サマコバ磁石)、フェライト磁石、アルニコ磁石、など磁石マグネット製品の特注製作・在庫販売

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磁石プロの視点
2025年12月1日
レアアースフリーで資源リスクを低減する新型モーターを開発
<磁石プロの視点>
近年、BEVやHEVの駆動用モーターとして、永久磁石内部配置型同期リラクタンスモーター・IPMSynRM(Interior Permanent Magnet Synchronous Reluctance Motor)が数多く採用されています。このモーターは、永久磁石内部配置型モーター(IPM)と電磁鋼板のスリットの磁気抵抗を利用した同期リラクタンスモーター(SynRM)を高度な磁気回路設計で組み合わせたモーターになります。
しかし、このIPMSynRMは永久磁石にはネオジム磁石のような高性能磁石が必要であり、レアアース資源問題に対しては将来の大きなネックとなっていました。
そこで、今回、自動車部品メーカーAstemoが発表した新型モーターは、ネオジム磁石の代替として酸化鉄を主原料にしたフェライト磁石を使ったIPMRynRMと、永久磁石を全く使わないSynRMを補助モーターとしてセットにした画期的なレアアースフリーモーターとなります。
Astemoは2030年の実用化を目指していますが、量産の目途がつけば、将来のBEV、HEVのみならず、各種産業用モーターに対するレアアース問題をクリアすることになり、大きな技術革新になるかもしれません。
ただし、高磁束密度のネオジム磁石を使わない本開発のようなIPMSynRMやSynRMは、どうしても単体の重量や容積が増えたり、補助モーターとの組み合わせが必要になり、システム全体の重量、容積が大きくなりがちで課題は残ります。したがって、将来、南鳥島近海のような大規模レアアース鉱床の開発、商業化が成功し、レアアース問題が解消するまでのつなぎの技術である可能性も捨てきれません。
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磁石虎の巻!!
2025年11月17日配信
ネオジム磁石のすべて(25)
<重希土類Dy含有量を減らす-3>
ネオジム磁石の耐熱性を上げるためには、ジスプロシウム(Dy)やテルビウム(Tb)などの重希土類をある程度含有させ、保磁力Hcjを大きくする必要があります。しかし、これらのDyやTbの濃度の高い原料鉱石は世界的に埋蔵量が少なく、しかも中国やミャンマーなどの東南アジアに偏在している問題があります。そこで各国のメーカー、特に日本メーカーはネオジム磁石中の重希土類をできる限り少なくする技術革新を急速に進めています。今回は、大同特殊鋼系列のダイドー電子が開発した「熱間加工ネオジム磁石」が重希土フリー磁石として注目を浴びていますので、ご紹介したいと思います。
<Dyフリー熱間加工ネオジム磁石>
Dy(またはTb)低減技術についての前章までの話は、世界的に主流である焼結法で製造されている焼結ネオジム磁石について述べてきたものです。しかしながら、最近になりラジアル異方性リング磁石の有利な製法で知られている熱間加工磁石が、Dy低減やDyフリーネオジム磁石としても大きくクローズアップされてきました。
この磁石は、ネオジムボンド磁石の材料と同様、超急冷法によって作られたネオジム・鉄・ボロン(Nd-Fe-B)粉末を冷間プレス(コールドプレス)と熱間プレス(ホットプレス)したのち、特殊な熱間加工により成形して異方性磁石にする製法で製造されます。大同特殊鋼株式会社の系列会社、株式会社ダイドー電子がこの製法を開発し、2010年から製造を開始しています。
熱間加工ネオジム磁石の製造工程(ダイドー電子ホームページ)
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