希土類磁石(ネオジム(ネオジウム)磁石、サマコバ磁石)、フェライト磁石、アルニコ磁石、など磁石マグネット製品の特注製作・在庫販売

磁石につく金属の種類と関係性について

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磁石といえば金属にくっつくイメージがありますが、中にはつかない金属もあります。一体どういう基準でついたり、つかなかったりするのでしょうか。私たちの身の回りにはさまざまな金属がありますが、磁石につく金属の種類は限られており、いずれも共通した特徴を持ちます。ここでは磁石につく金属と、その仕組みを見てみましょう。

■磁石にくっつく金属は限られている

磁石に金属がくっつくのは、磁石の磁力によってその金属も磁石になることが要因です。金属には多くの種類があります。しかし、磁石につく金属の種類は意外にも少ないもの。たとえば金や銀、銅やアルミは身近にある金属ですが、これらはすべて磁石につきません。磁石につく最も身近な金属は鉄です。鉄のほかには、ニッケルやコバルトなどが挙げられます。ステンレスにも磁石がつきますが、これは中に含まれている鉄によるものです。そのため、ステンレスの種類によってはつかないものもあります。

 

■磁石にくっつく金属かどうかは磁性体が関係している

磁石がつく金属は、共通して強い磁性体をもっていることが特徴です。磁性体とは、磁性を帯びる物質のこと。磁性体の種類は、大きく分けて強磁性体と常磁性体、反磁性体の3種類です。以下でそれぞれの磁性体について紹介します。

 

・強磁性体

磁石につく磁性体のことで、一般的に磁性体とは強磁性体を指していう場合がほとんどです。強磁性体の中でも、離すとすぐに磁力を失うものを軟磁性体(ソフト)、保持するものを硬磁性体(ハード)といいます。

 

・常磁性体

強磁性体ほどではありませんが、磁石を近づけると磁性を示します。しかし磁石につくほどの反応はありません。

 

・反磁性体

磁石を近づけてもその磁場を打ち消す物質です。木やガラスなどが挙げられます。

 

■同じ鉄でも純鉄は永久磁石にはならない

不純物を含まない純粋な鉄は、外からの磁気に影響されやすいことが特徴です。しかし、磁気の影響がなくなるとすぐに磁石としての性質を失います。この理由は、純鉄の中に含まれる磁力の境界線・磁壁が動きやすいためです。磁石を離した状態では、この磁壁がばらばらな方向に向いていて、磁石としての性質をもちません。そのため、純粋な鉄は永久磁石にはならないのです。

 

■強磁性体をもつ金属の種類

・鉄

鉄は最もポピュラーな金属の一種です。安易に入手できるため、磁石の素材として広く使われています。また鉄は磁壁が移動しやすく、強磁性体の中でも軟磁性体であることが特徴です。純粋な鉄は磁石を離すとすぐにその性質を失いますが、炭素などほかの原子が含まれていると、わずかですが離したあとも磁化した状態が続きます。

 

そのため磁石として使用するときには、酸化鉄を用いるほか、他の材料と混ぜ合わせてつくられます。価格が安く扱いやすいことから、現在流通している多くの磁石には鉄が用いられているケースが一般的です。

 

・ニッケル

ニッケルは鉄と同じで強磁性をもった金属の一種です。銀白色をしており、錆びにくいのが特徴です。このためメッキとして多く使用されるほか、日本の硬貨50円・100円・500円玉もニッケルを含みます。メッキの状態でも、磁石につくほどの強い磁性がありますので、ネオジム磁石の防錆メッキとして重要な役割をしています。ニッケル単独の状態で用いられることは少ないですが、磁石の素材の一部として使われています。また銅や亜鉛などと組み合わせることにより、さまざまな合金をつくることも可能です。

 

・コバルト

コバルトはニッケルのような白銀色をした金属で、高い磁性をもつ金属です。単体で用いることは多くありませんが、メッキとして利用されることがあります。粉末状のものは錆びやすく、酸に溶けることが特徴です。また硬質な合金をつくるのに欠かせない素材で、磁性のある特殊な鋼「KS磁石鋼」をつくる際に用いられています。顔料として利用されることもあり、その発色は緑がかった鮮やかな青です。この色はコバルトブルーとも呼ばれます。

 

■ほかの原料を合わせることでより強い磁石ができる

・合金磁石

金属単体では、強磁性体をもっていても強力な磁石をつくることができません。現在流通している強力な磁石のほとんどは、いくつもの原料を組み合わせてつくられています。その中でも、種類の異なる金属同士を組み合わせたものが合金磁石です。代表的なものでアルニコ磁石や、鉄クロムコバルト磁石が挙げられます。

 

これらの磁石は、酸化鉄のみでつくられたフェライト磁石と比べて、高い磁力をもっていることが特徴です。また温度に対して磁力が安定しているのも特筆すべき点でしょう。プラチナを用いた磁石も開発されていますが、コストがかかることと、安価で高性能な磁石が市場に多く出回っていることからそこまで浸透はしていません。

 

・希土類磁石

希土類磁石は、レアアースと呼ばれる金属元素を用いた磁石で、ネオジム磁石やサマリウムコバルト磁石が代表的です。名前に「レア」とありますが、稀少な元素というわけではありません。実際に希土類磁石で活用されるネオジムは、コバルトよりも埋蔵量が豊富です。なお希土類磁石は元素合金磁石と比べて高い磁力をもちますが、硬くてもろいというセラミックに近い性質をもっています。非常に強力な磁力を活かし、多くの工業製品に用いられているため、現在では最もポピュラーな磁石のひとつとなりました。