ローレンツ力(Lorentz force)
「ローレンツ力 (Lorentz force)は、電磁場中で運動する荷電粒子が受ける力のことである。この力は
F = q(E + v × B)
と表される。F は荷電粒子が受ける力(これをローレンツ力と言う)、E とB は荷電粒子が存在する位置における電場と磁束密度(つまり磁場)である。q は荷電粒子の持つ電荷。v は荷電粒子の速度である。× は外積である。1895年、オランダの理論物理学者ヘンドリック・アントーン・ローレンツが提唱した。」
上式で右辺第一項は電場中で荷電粒子が受ける力であり、第二項はビオ=サバールの法則を 一般化した形となっている。ここで荷電粒子が加速度運動している(ローレンツ力によっても加速度運動となっている)とすると、その荷電粒子自身による電磁 場の効果が存在するが、その影響はごく小さい場合が多いので通常は無視されるか、ごく小さなものとして扱われる。すなわち、
F = q(v × B)
と近似することができる。
荷電粒子の速度 v と磁場 B の外積 がローレンツ力 F であることは、フレミング左手の法則で向きを確認できる。
すなわち、右手の親指を正電荷の運動方向,人差し指を磁界の向きとすると,中指の向きが電荷が受ける力の向きを示す。この力のことをローレンツ力という。負電荷の場合は,力の向きが反対になる。電流を正電荷の流れとすると,導線中の電流は,その向きに運動する正電荷を意味する。したがって電流は,磁場からローレンツ力を受け,これが導線に対する力となって働く。これがモーターの原理である。