磁性流体(Magnetic Fluid)、(Ferrofluid)
「磁性流体とは、流体でありながら、磁性を帯び、砂鉄のように磁石に吸い寄せられる性質を持つ機能性流体(smart fluid)の一つである」
磁性流体はマグネタイトやマンガン亜鉛フェライトなどの強磁性微粒子、その表面を覆う界面活性剤、ベース液(水や油)の3つで構成される磁性コロイド溶液である。
磁性流体中の強磁性微粒子は、界面活性剤とベース液の親和力と界面活性剤同士の反発力によりベース液中で凝集したり沈降したりすることなく安定した分散状態を保っている。
強磁性微粒子は直径10nm程度であり、インフルエンザウイルスの約10分の1と非常に小さい。粒径は大きすぎても小さすぎてもだめで最適な粒径は9nmとされ、界面活性剤の分子の長さは短すぎては凝集が生じてしまい、長すぎては油の中での金属磁性体の充填割合が下がり、十分な磁性が得られないので1.5nmが最適であるとされる。
窒化鉄磁性流体の磁化は2400ガウスで現在でも世界最高性能であり、多方面への応用が模索される。