結晶磁気異方性エネルギー(Magnetic Anisotropic Energy)、磁気異方性エネルギー、EA、
「結晶磁気異方性において、磁化する方向と磁化困難方向との磁化に要するエネルギーの差。」
結晶の方向によって磁化に難易が生じるのは,外部磁場がないときに磁化容易軸方向が最も内部エネルギーが低く安定しているからである。従って,磁化の方向を磁化容易軸方向から角度θだけ曲げようとすると,それだけエネルギーを与えなければならない。このように磁化の方向に依存する内部エネルギーを結晶磁気異方性エネルギーEAという.今,一軸磁気異方性を考えるとEAは以下のように表される。
EA=K1sin2θ+K2sin4θ+K3sin6θ+・・・・・
ここで右辺各項の係数K1,K2,K3・・・・は結晶磁気異方性定数と呼ばれる。最も単純な場合には第1項のみを用い,KUを一軸異方性定数として
EA=KUsin2θ
で表す。この式は図3.5.2に示すようにθ=0の磁化容易軸方向のとき最小値EA=0となり, θ=±π/2の磁化困難軸方向で最大値を示す。またKUが大きいほど磁化容易軸方向と磁化困難軸方向のエネルギー差は大きくなる。