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磁石・磁気の用語辞典(用語解説)
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【超伝導量子干渉計】

SQUID(Superconducting Quantum Interference Device)、超伝導量子干渉計SQUID磁力計(Squid Flux Meter)、スキッド磁力計

SQUID(Superconducting QUantum Interference Device)とは、“ジョセフソン接合”を用いた素子(磁気センサ)であり、微小な磁場を測定するのに使用される。「dcSQUID」「rfSQUID」の二種類がある。」

「dcSQUIDは1964年にRobertJaklevic、JohnLambe、Arnold Silver、そしてJames Mercereauによって発明された。超伝導体のリングの2個所にジョセフソン接合を持つ。これを極低温に置き、直流電流を流すと、ある臨界電流以下でジョセフソン効果により、直流抵抗が0の超伝導状態となり、磁界の変化に反応する。」

「rfSQUIDは1965年にJames Edward ZimmermanとArnold Silverによって発明された。rfSQUIDはdcSQUIDと違い、リングの1箇所にしかジョセフソン接合を持たない。」

 通常の磁束磁束密度は常伝導コイルに流れる電流を検知したり、ホール素子による磁気抵抗効果を利用したりして検知するが、微弱な磁束はSQUID磁力計(超伝導量子干渉磁力計)を使う。第2種の超伝導体に侵入できる細く微弱な磁束を量子化磁束と呼ぶが、この量子化磁束1本は500万分の1ガウスに相当する。ガウスの単位は1cm2あたりであるから、1cm2の超伝導体のリングに1本の量子化磁束が通ることは500万分の1ガウスの磁場があることになる。したがって微弱な磁束を検知・測定するためには図-1のような超伝導体のピックアップコイルの組合せと“ジョセフソン効果”を利用する。ジョセフソン効果とは弱く結合した2つの超伝導体の間に、超伝導電子対のトンネル効果によって超伝導電流が流れる現象であり、この現象を使って量子化磁束の通過に応じて電流が流れる回路にして磁束の出入りを検知する。

 微弱な磁場を測定したい場所に液体ヘリウムで冷却されたピックアップコイルをセットし、磁場によって誘起される電流を超伝導リングの近くに置いたコイルで再度磁場に変え、増幅することによって100億分の1ガウスより高感度で磁束密度が計測できる。

 SQUIDの超伝導リングや配線には、細線加工されたニオブの薄膜などが使われるが、最近では高温超伝導体の薄膜技術が進歩してきたので、イットリウム系酸化物などが利用可能となり、液体窒素で冷却できることから計測装置の低価格化が期待されている。

SQUIDの用途は超伝導体の研究開発や図-2のように脳や心臓の磁気を測定して生体の情報を得る最新医療にも拡大している。従来の脳波検査や心電図検査は皮膚の表面に付けた電極で体内電流を評価するものであるが、SQUIDによる磁気計測の方がはるかに精密な評価ができるようになった。

このように、超伝導技術はMRIのみならずSQUIDも最新医療分野で活用され始めている。