磁荷(Magnetic Charge)
「磁極が帯びている磁気の量であり、電荷に対応する仮想概念。単磁荷を仮定して磁気双極子を考え、クーロンの法則が適用される」。磁荷が発する場を磁場Hとする電磁理論を構成し、MKSA単位はウェーバ[Wb]。CGS単位はマクスウェル[Mx]または電磁単位[emu]。SI単位では、磁荷に相当する物理量は電子のスピンから生じるループ電流であり、これが磁場Hの発生源とする。
磁極は磁性体の端部を指し、そこから磁束が外部に出入りすると仮定した部位のことである。電荷と電場のクーロンの法則を適用できるとする磁荷の発生部位とも言える。
なお、永久磁石の磁荷は全磁束量(=総磁束量、トータルフラックスΦop)で表すことが一般的である。SI単位、CGS単位、電磁単位の関係は次のようになる。1(Mx)=10^-8(Wb)、1(Wb)=10^8(Mx)、1(Wb)=10^8/4π(emu)。
【CGS単位】永久磁石の磁荷(永久磁石の全磁束量)[Maxwell(Mx)]=動作点の磁束密度(Bd)[Gauss]x 磁石の断面積[cm2]
【SI単位】永久磁石の磁荷(永久磁石の全磁束量)[Weber(Wb)]=永久磁石の動作点の磁束密度(Bd)[Tesla]x 磁石の断面積[m2]
【電磁単位】永久磁石の磁荷(永久磁石の全磁束量)[emu]=(4π/10^8)x永久磁石の動作点の磁束密度(Bd)[Tesla]x 磁石の断面積[m2]