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磁石・磁気の用語辞典(用語解説)
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【反強磁性】

反強磁性(Antiferromagnetism)

「反強磁性とは、隣り合うスピンがそれぞれ反対方向を向いて整列し、全体として磁気モーメントを持たない物質の磁性を指す。」

金属イオンの半数ずつのスピンが互いに逆方向となるため反強磁性を示す。

代表的な物質としては、絶縁体では酸化マンガン(MnO)や酸化ニッケル(NiO)などが挙げられる。反強磁性の発現は“超交換相互作用”によって説明され、強磁性を説明する「ハイゼンベルグの交換相互作用」とは異なった原理によって発現する点に注意が必要である。

強磁性体と同様に、反強磁性もその性質を示すのは低温に限られる。ある温度以上になるとスピンはそれぞれ無秩序な方向を向いて整列しなくなり、物質は常磁性を示すようになる。この転移温度をネール温度(Neel Temperature)と呼ぶ。ネール温度以上での磁化率はキュリー・ワイスの法則に従う。