比熱(Specific Heat)
「比熱とは、一般に 物質 1 g の温度を 1 ℃ 上昇させるのに必要な熱量(J)のことを言う。」
質量 m [g] の物質の温度を Δ T [℃ or K] 上昇させるのに必要な熱量が Q [J] であるとき、比熱 c は次式で計算される。
C = Q / mΔT
比熱の単位は、J/(g・K) または、J/(g・℃) となる。ただし、物質 1 mol あたりの比熱であるモル比熱の単位として J/(mol・K)を用いたり、1 cal = 4.184 J(定義) の関係を用いて、cal/(g・K) を用いたりすることもある。
比熱は、「物質の温度変化のしにくさの度合い」を表している。比熱の小さい物質ほど、温まりやすく、冷めやすいといえる。
例えば、同じ質量の水と鉄に同じ熱量を加えても、その温度上昇は同じではない。鉄と水の比熱を比べると、鉄の比熱は 0.45 J/(g・K) 、水の比熱は 4.18 J/(g・K) であるため、鉄の方がはるかに温まりやすく、冷めやすい物質であることが分かる。
上の式より、比熱 c [J/(g・K)] の物質 m [g] の温度を ΔT [K] 上昇させるのに必要な熱量 Q [J] は次式で表される。
Q = mcΔT
また、比熱 c [J/(g・K)] の純物質 m [g] の熱容量 C [J/K] は次式で表される。
C = mc
比熱は温度によって変化し、その変化の度合いは条件によって異なる。一定圧力の下で温度変化させる際の比熱を定圧比熱Cp といい、一定体積の下で温度変化させた際の比熱を定積比熱(定容比熱) Cv という。