磁気光学効果(Magneto-optical effect)、光磁気効果(Photo-magnetic effect)、
ファラデー効果(Faraday-effect)、磁気旋光、カー効果(Kerr effect)、磁気カー効果(Magneto-optical Kerr effect)
光と磁気の互いの物理的な作用として、 物質の光応答に磁気が寄与する「磁気光学効果」と、物質の磁性に光が影響する「光磁気効果」があります。
◇磁気光学効果(Magneto-optical Kerr effect)
磁気光学効果には「ファラデー効果(磁気旋光)」、「磁気カー効果」などいわゆる 狭義の磁気光学効果と、ゼーマン効果、磁気共鳴、 マグネトプラズマ効果など磁気が電磁波の応答に影 響を与える 広義の磁気光学効果が含まれます。
◇光磁気効果(Photo-magnetic effect)
光磁気効果には 光誘起磁気効果、光誘起磁化(逆ファラデー効果)、光 誘起スピン再配列、熱磁気効果 が含まれます。光磁気ディスクの記録には、レーザ光の熱を用いた 熱磁気効果 が使われています。
◇ファラデー効果(Faraday-effect)
反磁性体ガラスに直線偏光を入射させて、光の進行方向に沿って磁界を印加すると、その透過光の偏光方向の回転(磁気旋光性)や偏光の楕円化(磁気円二色性)が観測されます。
この現象は1845年にイギリスの科学者Michael Faradayによって発見され、Faraday効果と呼ばれています。石英ガラス、ホウケイ酸ガラスなど多くのガラス材料に、この効果が見られます。
特にガーネット系材料のGGG,YIG,RIGでは大きな磁気旋光を生じることから、光変調デバイスや光アイソレーターなどの光通信デバイスに応用されているほか、電子部品や磁性体材料に密着させて表面の磁界分布を可視化する目的に用いる応用が注目されています。
◇磁気カー効果(Magneto-optical Kerr effect)
磁化を持つ物質に直線偏光の光を入射させると、反射光に偏光方向の回転(磁気旋光性)や、偏光の楕円化(磁気円二色性)が観測されます。
この現象は1876年にスコットランドの物理学者John Kerrによって発見され、磁気Kerr効果と呼ばれています。
Faraday効果が、光が物質を透過する際に見られる現象であるのに対して、磁気Kerr効果は反射した光に見られる現象です。
この効果を積極的に応用すると、磁性材料の表面、あるいは表面に近い内部の磁化過程を光で検出することができます。
一般に「Kerr効果」という名称は電気光学効果を指すことが多いので、区別するために「磁気Kerr効果」と呼びます。