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磁石・磁気の用語辞典(用語解説)
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【磁鉄鉱】

磁鉄鉱(Magnetite)、マグネタイト

「鉱物の一種で、鉄分を含むため黒色をしており、金属光沢がある。」

組成 : Fe3O4。比重5.2。モース硬度5.5〜6.5。等軸晶系。スピネルグループの鉱物。天然に産出する磁石として鉄につくのが特徴で、結晶は正8面体をしている。火成岩中にごく普通に含まれる、造岩鉱物の一種である。鉄の重要な鉱石鉱物。

西欧では紀元前600年頃、ギリシアのマグネシア地方に天然の磁鉄鉱が産出し、この鉱石が羊飼いの鉄の杖や、他の鉄製品を引きつけたりしたので、地名にちなんで“マグネス”と呼ばれ、それが長い間に“マグネット”に変ったといわれています。

この時代、ギリシア哲学の開祖といわれたタレスが、摩擦電気(静電気)による物を引きつける力とともに、磁鉄鉱による吸引力を解明しようとしましたが、結論は出なかったようです。その後約2000年の間、ギリシアを中心とした多くの哲学者や科学者がマグネットの力を究明しようとしましたが、摩擦電気の力との区別ができなくて謎のままでした。

なお、磁鉄鉱はふつう磁力を帯びていませんが、雷により地表に大電流が流れ、その磁場で、いわゆる“着磁”されたものと考えられています。また、地磁気によるものという説もあります。