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磁石・磁気の用語辞典(用語解説)
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【超磁歪】

磁歪(Magnetostriction)、超磁歪(Giant Magnetostriction)、磁気ジュール効果(Magneto Joule Effect)、ビラリ効果(Villari Effect)、磁気ひずみ

「磁歪(じわい)とは、強磁性体磁化するとき、外形がわずかに変形する現象のことで、磁気ひずみ、磁気ジュール効果ともいう。1847年、ジュールの法則で有名なフランスのジェームズ・プレスコット・ジュールが、長いニッケル棒に巻いたコイルに電流を流したところ、ニッケル棒の長さがわずかに変化することから発見された。」

「ビラリ効果とは磁歪の逆の現象で、磁性体に圧力を加えると透磁率が変化し、磁化の強さが変化する現象のことである。」

多くの磁性体では、磁歪の大きさは非常に小さく、Fe(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)などの強磁性体では、元の形状に対して約0.01 〜 0.0001 % (1万分の1から100万分の1)の割合で変化する。しかし、最近では、鉄(Fe)と希土類元素のテルビウム(Tb)、ディスプロシウム(Dy)等の化合物材料(Dy0.7Tb0.3)Fe2が0.1 % という大きな磁歪量を示すことが発見され、巨大磁歪材料(超磁歪材料)として実用化されている。磁歪材料は振動子として魚群探知機や超音波発生器などに用いられている。また、電気信号が電磁石などを通じ磁場に変換されることで、磁歪を外部から非接触制御することも可能であり、機械やロボットの駆動部にも応用が期待されている。また、超磁歪材料はそのビラリ効果を利用してアシスト自転車の駆動センサや各種センサへの応用が試みられている。

なぜ磁場印加によって磁性体は歪むのかというと、一般の金属中では、原子核(+)の周りを電子(-)が円運動し、電気的な力を作用させ結晶を形成している。強磁性体中では、電子の自転(スピン)により磁場が発生していて、円軌道運動によって生じる磁場と作用して原子サイズでNS極を持つ微小磁石を 形成している。このため電子の円運動の軌道はスピンを反映して変化する。電子と原子核の間では電気的な力が作用しているため、軌道の変化は原子核の位 置変化を生じ、微小な歪みが発生する。そして、磁場印加により原子サイズの微小磁石のNS極が揃うため歪みも結晶全体で同方向に揃い形状が変化するのである。