希土類磁石(ネオジム(ネオジウム)磁石、サマコバ磁石)、フェライト磁石、アルニコ磁石、など磁石マグネット製品の特注製作・在庫販売

航空貨物として永久磁石を輸送する場合の注意事項!!
磁性体を航空輸送する場合、通常の梱包では航空計器に影響を及ぼす恐れがあるため、IATA(国際航空運送協会)基準の漏洩磁束規定に合わせた梱包状態にする必要があります。
磁性体を空輸する場合、正しく梱包されていれば「安全に輸送可能な状態」となります。
具体的には永久磁石を航空貨物として送る場合は、「IATA包装基準953」の条件をクリアしていなければなりません。そのためには前記包装基準の中の以下のような分類規程に従って航空貨物の包装(梱包)が必要です。
 
【分類規程】
A:非磁性物件(一般貨物扱いで航空輸送可能)
航空輸送の為に包装された磁性物件の梱包表面上の任意の点から2.1m(7ft)の距離において、磁気コンパスの振れ(偏向)が2度未満または磁気測定器(テスラメーター等)での測定値が0.00525Gauss(0.418A/m)未満の物件。
この場合、一般貨物扱いですから、通常の航空荷物として輸送できます。但し、旅客機の手荷物としての持ち込みについては、ご利用になる航空会社にあらかじめ問い合わせが必要です。
航空貨物輸出01
B:磁性物件(航空輸送可能、但し危険物としての取り扱いが必要)
航空輸送の為に包装された磁性物件の梱包表面上の任意の点から2.1m(7ft)の距離において、磁気コンパスの振れ(偏向)が2度以上または磁気測定器(ガウスメーター等)での測定値が0.00525Gauss(0.418A/m)以上で、且つ4.6mで2度未満または0.00525Gauss(0.418A/m)未満の物件。
この場合、IATAハンドリングラベルNo.UN2807の貼付が必要です。
航空貨物輸出02
C:磁性物件(航空輸送不可)
前記A、Bの範囲を超えるもの。
この場合、航空輸送はできませんのでご注意ください。
 
【永久磁石物件を一般貨物扱いとする方法】
永久磁石を通常梱包した場合、分類規程のA:非磁性物件にならない場合は以下のような梱包(包装)をする必要があります。
一般貨物扱いの非磁性物件とするには、前項で説明したように、梱包表面上の任意の点から2.1m(7ft)の距離において、磁気コンパスの振れ(偏向)が2度未満または磁気測定器(テスラメーター等)での測定値が0.00525Gauss(0.418A/m)未満となるようにします。
そのために最も一般的な方法は、下図のように内梱包(磁石外側梱包)を鉄板などの磁性体で磁気シ-ルドします。
航空貨物輸出03
【鉄板による磁気シールド効果の条件】
永久磁石製品の周辺(四方八方)を鉄板などの磁性体で囲うことにより、永久磁石から出る磁力線が鉄板でシールド(遮蔽)されます。但し、そのシールド効果の程度は種々の条件によって変わってきます。
(1)永久磁石の磁力(磁石を複数重ねた場合はそのトータルの磁束密度)
(2)永久磁石の大きさ、(磁石をNS同方向に複数重ねた場合はそのトータルの寸法)
(3)永久磁石の数量(磁石のNS方向の重ね方によって変わる)
(4)鉄板の厚み(鉄板を複数重ねた場合はそのトータルの厚み寸法)
(5)永久磁石と鉄板の距離
(6)鉄板と外側梱包との距離
航空貨物輸出04
【鉄板の厚み参考値】
※以下のデータは鉄板の厚み(複数重ねた場合も含む)と単品2極着磁ネオジム磁石の寸法(概算値)
 で、且つ、外側梱包と鉄板との距離を10mm以下とした場合です。
※複数磁石の場合、次図のような磁石の積み方をすれば、鉄板の厚みはさらに薄くできます。
ネオジム磁石寸法 鉄板と磁石の距離(mm) 鉄板の最小厚み(mm)
角型 100x100x100mm (同程度他形状も含む) 100 1
同上 50 3.5
同上 20 10
角型 50x50x50mm (同程度他形状も含む) 50 0.5
同上 20 2.5
同上 10 5
角型 20x20x20mm (同程度他形状も含む) 20 0.2
同上 10 1
同上 5 2
 
【鉄板で磁気シールドする場合のポイント】
(1)永久磁石を鉄板で完全に囲う。
(2)磁石の大きさ、数量にもよるが、鉄板はなるべく厚いものを使う。
(3)厚い鉄板がない場合は複数枚重ねる。
(4)永久磁石と鉄板の距離はなるべく大きくする。
(5)鉄板と外側梱包の距離はなるべく大きくする。
(6)間を空けた鉄板の複数囲いをする(前図参照)。
(7)永久磁石を複数重ねる場合は、なるべく磁力線が外に出にくい重ね方をする。
航空貨物輸出05