フェライト磁石を利用した“超電導現象”の模擬実験
磁気浮上現象として良く知られている超電導体によるマイスナー効果を身近にあるフェライト磁石を用いて疑似体験出来る簡単な実験を紹介します。
準備するものは、フェライトのリング磁石1個、リング磁石の穴に入る透明アクリル管1個、そのアクリル管に入るフェライトの円板磁石1個です(図3)。
マイスナー効果はご存知の様に超電導体が磁場を排斥した状態にあります。その磁場を透明アクリル管で代用します。アクリル管をリング磁石の穴に差し込み固定します。次に、円板磁石をリング磁石の表面の磁極と逆の極が向かい合う様にして管内に静かに入れると、ある高さで円板磁石は止まり浮上状態が得られます(図1)。
リング磁石の磁力が強ければ、全体を180度反転させるとフィッシング効果も見られます(図2)。但し、いずれも円板磁石は管内で一部接触しています。
次に、ピン止め効果の模擬実験を紹介します。超電導体に量子化した磁束が作用してあたかもピンで止めたかの様に安定化する現象です。リング磁石の穴の上1~2cm位の高さに画びょうを持って行きます。その針の先端に円板磁石を前の実験と同様に、リング磁石の表面と円板磁石の底の極が相反する様にして針の先端に水平に乗せる事が出来ます(図4)。正にピン止め効果ですね。
以上、超電導体の磁気浮上とは全く原理は異なりますが、何となくイメージ出来たかと思います(少し無理が有るかな?)。実際の磁気浮上の実験は、超電導体や液体窒素等準備が大変ですが、これなら身近な材料と簡単な操作で半磁気浮上を体験出来るのでぜひ、お試し下さい。
疑似超電導現象
[飯島秀治様ご提供資料]