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永久磁石の用途・応用シリーズ(4)

【ハイブリッドカー(HEV)への応用例】

1.ハイブリッドカーとはどんな車か?

ハイブリッドカーには、基本的には下図のように、シリーズタイプとパラレルタイプの2種類があります。シリーズタイプは、エンジンの役目は発電機を動かすことであり、動力源はその発電機で得た電気で動くモーターのみということになります。一方、パラレルタイプは、エンジンもモーターも動力源として使い、車の走行状況に応じてエンジンとモーターを使い分ける方式で、プリウスなどがこのタイプになります。

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2.トヨタ・プリウスの基本システム

モーターは発進のときに大きな力を出して車を滑らかに加速させる。したがってパラレルタイプのプリウスはまずモーターで発進することになります。そして、ある一定のスピードまで加速するとエンジンが始動し、より強力な加速を得られます。エンジンは、最も力を出すためにはある程度の回転数が必要であり、低速においては十分力が出せないためにモーターに動力を任せます。回転数、スピードが上がり、大きな力を出せるようになると、モーターを止めてエンジンが動力を引き受けます。このように、最適な動力を選びながら効率の良い走りと低燃費を実現しています。なお、モーターに供給する電力は、“発電機”だけからではなく、減速の際、車輪によって回転させられているモーターが発電機となる“回生ブレーキ”によってもバッテリーに充電されています。

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3.世界に誇るプリウスの技術

プリウスのハイブリッドシステムは数々の素晴らしい個別技術によって支えられています。例えば、エンジン動力を発電機とモーター、車軸に分割伝達する遊星歯車(プラネタリーギア)や高性能ニッケル水素バッテリー、専用設計のエンジン、ネオジム磁石を使った永久磁石同期モーター(DCブラシレスIPM)や同じくネオジム磁石を使った発電機などがあります。特にモーターの効率はハイブリッドカーの生命線であり、如何に小型・軽量で高効率・高出力なモーターにできるかが鍵であり、そのために多くの最先端技術が詰め込まれています。

(参考資料)

“エコフレンドリーカー” 御堀直嗣著、発行元:山海堂