【リニアモータカーへの応用例】
回転モーターは固定子(ステータ)と回転子(ロータ)が対になった回転トルクを利用するものですが、固定子と回転子を向かい合わせ、平面構造にして直線運動をさせるのがリニアモータです。リニアモータは介在するギアやベルトなどほとんど使わなくて済みますので、力の損失が少ない、効率の良いモータと言えます。近年、ネオジム磁石を組み込んで、ロボット、各種搬送装置、高速エレベータ等に盛んに利用され始めています。今月はこのリニアモータを利用した、リニアモータカーのお話です。これからお話するJRリニアモータカーは車体側には永久磁石ではなく、強力な超伝導磁石(電磁石)を組み込んでいます。リニアモータとしての原理は同じですので、移動物が軽いもの、小さいものはネオジムのような永久磁石でも良いわけです。
1.リニアモータカーの推進の原理
2.リニアモータカーの浮上の原理
以上のように、リニアモータは超伝導磁石やネオジム磁石の出現によって、急速にその応用範囲が拡大しつつあります。回転モータの回転力をわざわざギアやベルトなどにより直線運動に変えている用途が身近にありましたら、一度リニアモータの採用をお考えいただくのも得策かもしれません。
(参考資料)
トコトンやさしい磁石の本 山田正光著 日刊工業新聞社