【リニアモータアクチュエータの話】
最近、NC加工機などの工作機械、半導体の製造装置、検査装置、産業用ロボット、各種搬送装置などの幅広い分野に、従来のボールねじ式に代わり、リニアモータアクチュエータが直動案内機器として使用され始め、特に強力なネオジム磁石の採用により益々注目されています。ところで、リニアモータというとNeoMag通信2007年11月号でご報告しましたリニアモータカーをすぐ連想しますが、産業機器に使われるリニアモータは原理、構造面で磁気浮上推進用とは多くの点で異なっています。以下、産業機器用のリニアモータアクチュエータについて概略を解説いたします。
1.リニアモータの種類
リニアモータとは、「電磁力により対象物に対して直接、直線的な運動(往復運動)を与える駆動装置」で、その構造は,円筒状の回転型モータを直線状に展開した構造となります。
種類としては、リニア誘導モータ、リニア同期モータ、リニアパルスモータ、リニア直流モータなどがあり、さらに電磁石形、永久磁石形、ハイブリッド形などに分かれます。
2.リニアモータの原理
コアレスタイプの永久磁石形リニアモータアクチュエータの動作原理の一例を図-1に示しました。この例では、電磁コイル式の可動部とガイドとしての固定永久磁石で構成されていますが、可動部が永久磁石または電磁コイル式で固定ガイドが電磁コイルで構成されたタイプもあります。
また、図-2は実際のリニアモータアクチュエータの一例です。最近では、固定側にネオジム磁石が使って、大きなトルクや大きな移動速度を得られるようになってきました。
3.リニアモータ式直動駆動の特徴
上表のように、ネオジム磁石のような高性能磁石リニアモータを利用したアクチュエータ(直動案内機器)は、従来のボールねじタイプより種々の大きな利点があり、冒頭にお話しましたように、これから益々各種産業機器にその応用を拡大してゆくものと思われます。