「磁石を重ねた場合、磁石の力は2倍になるか」このようなご質問やお問い合わせをよく頂きます。
結論から言えば、答えは2倍にはなりません。
しかし、強くはなります。
下記は重ねた場合と単体との比較です。
磁石はネオジム磁石、円柱型、Φ10x2(mm)、高さ方向を使用しました。
表面磁束密度や吸着力を比較すると、強くはなっているが、2倍にはなっていません。
磁石は重ね終わったサイズとほぼ同等の能力(表面磁束密度・吸着力)を持ちます。
単純にΦ10x2mmの磁石を2個重ねたことにより、Φ10x4mm寸法の磁石になります。
では、重ね終わったサイズの磁石と比較してみます。
比較してみると、重ねた側は若干弱いですが、ほぼ同等の力と考えられます。
この結果から、「重ねる磁石の数を増やせば、どんどん強力な磁石になるのでは?」と思うでしょうが、残念ながらそうはなりません。
表面磁束密度・吸着力はある大きさで飽和してしまい、磁石の数を増やしても数値は上がり続けません。
下図はΦ10mm円柱型磁石の厚みを大きくしていった時の、表面磁束密度と吸着力の相関グラフです。
NSの判別方法としてはいくつかございます。
1、「NS判別器」にて判別
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2、「テスラメーター」にて判別
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その他の判別方法としては、S極N極にマーキング(もしくは刻印)が施されている磁石にて判別する。
この判別方法をご利用になる前に必ず下記注意事項を一読ください。
磁石を近づける際に、ご使用者の想像以上の吸引、反発の力が発生する場合があります。
また、磁石同士を吸着させる際には、吸着時の衝撃により欠けや割れが発生する可能性もあります。
大きい磁石(吸着力5kg以上)の磁極判別の際は、必ず「NS判別器」、もしくは「テスラメーター」をご使用ください。
磁石の取扱いに十分な知識及び経験が無いと、大きな事故や怪我の恐れがございます。
以下の方法は、あくまで吸着力の小さな磁石の簡易的な判別方法です。
お取扱い中での怪我や損失については、弊社では一切責任、保証を負いかねますので、予めご了承ください。
磁石はその性質上、同極(N極N極、S極S極)では反発し、 異極の場合、吸着します。
(この磁極の刻印のある磁石は、フェライト磁石です。)
この性質を利用して、判別することが可能です。
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吸着させた磁石の磁極の向きは、このようになります。
赤字のNSが刻印の無い磁石の磁極の向きとなります。
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※但し、上記のフェライト磁石を用いて、他材質(ネオジム・サマコバ等)の磁極判別に使用された場合、
フェライト磁石の磁力が低下することがありますので、予めご注意ください。
この方法で判別する場合、マーキング(もしくは刻印)が施されている磁石があることが前提となります。
手元にマーキングのある磁石が無い場合は、どうすればよいか。
それには弊社取扱のネオジム磁石、円柱型・角型留め穴付き品を使用します。
留め穴付き商品は、留め穴の付いている側(表)は原則N極になるようにしてあります。
※ご注文時に、お客様より留め穴側の磁極変更依頼があった場合は、その限りではありません。
これを利用して磁極判別を行います。
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留め穴付き側に、判別したい磁石を吸着させます。
※画像では完全に吸着させていますが、吸着させずに磁石同士を近づけ、引き合うか、反発するかで判別することも可能です。
引き合う場合は異極同士、反発時は同極同士ということになります。
磁石同士を吸着させる際は、吸着時の衝撃により欠けや割れが発生する場合もあります。 くれぐれもご注意ください。
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留め穴付き側がN極なので、円柱型の磁極の向きはこのようになります。
以上の方法は、あくまで簡易的な一例であり、お取扱い中でのけが、損失については、
弊社では一切責任、保証を負いかねますので、予めご了承ください。
弊社ネオジム磁石のメッキは、全てニッケルー銅ーニッケルの三層メッキです。
これ以外にも、金メッキやエポキシ樹脂でのコーティング等も行っております。
詳しくはこちらからお問い合わせください。
磁石を取り扱う際は、作業する周辺から鉄製品を遠ざけてください。
また商品に同梱してある、「マグネットの取扱注意事項」を必ずお読みください。
まず基本的な磁石の取り外し方として、磁化方向(着磁方向)に対して、垂直方向に力を加えると外し易くなります
円柱以外においても、基本的な取り外し方は同じです。
上記の方法で、吸着力の小さな磁石であれば、容易に引き離すことが可能なはずです。
次に、吸着力の大きい磁石、磁石寸法が大きい磁石の取り外し方は下記のように行ってください。
(1)軍手など、手を保護する物を装着してください。
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(2)作業する周辺から、必ず鉄製品を遠ざけてください。
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(3)木製の机など、磁石が吸着しない材質で、 高低差のある空間を用意します。
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(4)取り外したい個数を机からハミ出すように配置。
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(5)机上にある磁石を固定し、ハミ出ている磁石を、下に落とすように力を加えます。 画像のような大きい磁石の場合、1人での作業は非常に困難及び危険です。 必ず押さえる方と磁石を離す方、二名以上での作業をしてください。
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(6)磁石同士が十分離れるまでは、押さえる力・外す力どちらも緩めないようご注意下さい。 (おおよその目安として、磁石間が50センチ以上) 不十分な距離で力を緩めてしまうと、吸引力で破損・怪我をする恐れがあり、大変危険です。 同様に、外し終えた磁石についても、十分な距離を保つようご注意下さい。
※保管の際は、間に挟んだスペーサーが外れないようご注意下さい。 (スペーサーが無い場合、磁石同士が外せなくなる場合があります)
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計測機器:テスラメーター
高さ方向着磁の場合は、永久磁石の磁束密度は測定面の磁石端部が最も高い値となり、磁石中央部が最も低い値となります。
この場合のネオマグの各磁石の表面磁束密度のデータは”磁石中央部の最も低い値を測定または計算した結果”です。
円柱型、角型、リング型、C型の形状にかかわらず、同様な傾向になります。
径方向着磁の場合は、永久磁石の磁束密度は測定面の磁石端部が最も低い値となり、磁石中央部が最も高い値となります。
この場合のネオマグの各磁石の表面磁束密度のデータは”磁石中央部の最も高い値を測定または計算した結果”です。
円柱型、リング型、C型の形状にかかわらず、同様な傾向になります。
キュリー温度とは、磁石が完全に磁力を失ってしまう温度のことを言います。
温度係数とは、環境温度の変化によって生じる、磁力の変化率です。
1℃環境温度が上昇した時、温度係数の値に従い磁力が低下していきます。
キャップ付き磁石の特徴は、キャップ(磁性体)の中を効率よく磁力線が通ることにより、キャップで覆っている側には磁力が出にくくなります。
キャップの外側には磁力が全く出ていないように見えますが、実際の製品では、完全遮断はされておりません。
あくまで、磁力がキャップの外側に出にくくなっているだけです。
キャップ付き磁石は磁石が露出している側に、磁力が集中することにより、ほぼ同寸法の皿穴付き磁石に比べて、吸着力が上昇する傾向にあります。
では、弊社取扱製品NCR13と円柱型皿穴付き磁石の吸着力を比較してみたいと思います。
NCR13にはΦ10x3mm(M3)磁石が使用されているので、NCR13とΦ10x3mm(M3)にて比較していきます。
では、弊社取扱製品NCR13と円柱型皿穴付き磁石の吸着力を比較してみたいと思います。
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材質記号 |
磁束密度 |
吸着力 |
限界使用温度 |
NCR13 |
N40 |
3690G |
2.5kgf |
80℃ |
Φ10x3mm |
N40 |
3500G |
1.6kgf |
80℃ |
弊社取扱全ての皿穴付き・段穴付き磁石及びキャップ付き磁石は、内径ストレート、タップ(ネジ穴)加工はしてありません。
皿ネジで磁石を固定することが可能です。
お客様の使用用途によって、皿穴側・段穴側の磁極を選択できるようになっております。
以下に磁石選定の一例をあげます。
鳥忌避材
屋外での使用を考慮して、直径60〜80mm程度のフェライト磁石リング形状を使用されている方が多いようです。
宝飾品などのメッキ判別
ネオジム磁石、Φ10x20(mm)
ゴルフのマーカー製作用磁石
ネオジム磁石の直径8mm〜12mm、高さ2mm以下が好まれるようです。
手品用の指輪型磁石
ネオジム磁石、Φ23xΦ19x5(mm)(径方向)
ネオジム磁石、Φ24xΦ20x5(mm)(径方向)
ネオジム磁石、Φ25xΦ21x5(mm)(径方向)
自動車燃費改善目的
ネオジム磁石、54x7x6(mm)
ネオジム磁石、54x8x6(mm)
ネオジム磁石、64x7x6(mm)
※上記商品は、全て150℃耐熱品となっております。
パイプを挟んで、N極とS極を向かい合わせるように配置し、
耐熱テープなどでぐるぐる巻きにする方が多いようです。
上記、使用方法ごとの磁石選定はあくまで一例となります。
弊社は磁石素材を取扱う会社となっており、各種応用方法についての実証データを保有しておりません。
磁石選定の参考程度にお考えください。