キュニコ(Cunico)、キュニフェ(Cunife)
「キュニフェは等方性アルニコ時代の1937年に開発され、代表的な組成はCu60%,Ni20%,Fe20%(wt%)であり、その磁気特性はBr=0.54T、Hcb=44kA/m(550Oe)、(BH)max=12kJm3(1.5MGOe)である。」
この合金は靭性に富むため、圧延・線引き等の霊感塑性加工によって、薄板や細線にすることができるので、アルニコ登場後も、特殊用途に使用されていた。なお、この組成系ではアルニコのような磁場中冷却による異方性化は起こらず、冷間加工後の焼きなましで加工方向優位の異方性が出現する。
「キュニフェの鉄をコバルト(Co)に替えると、同様な効果で1938年に発表されたキュニコになる。」
代表組成はCu50%、Ni21%、Co29%であり、磁気特性はBr=0.34T、Hcb=56kA/m(700Oe)、(BH)max=6.8kJm3(0.85MGOe)である。これらキュニフェ、キュニコ磁石は、現在では半硬質磁性材料としてごく少量が生産されているだけである。