■ 西暦1831年~1834年:電磁気実用化の第一歩「電磁誘導の法則」
イギリスのマイケル・ファラデーはエルステッドやアンペールの発見を参考に、さらに色々な実験を繰り返し、1831年“電磁誘導の法則”を発表しました。
この実験の過程で、ファラデーはリング状の軟鉄にコイルを巻き付けた、世界で最初の変圧器の発明もしていました。その一年後1832年、米国のジョゼフ・ヘンリーは自己誘導作用の発見をして、この二人の功績により、のちにコンデンサーの静電容量の単位にF(ファラッド)、コイルの自己インダクタンスの単位としてH(ヘンリー)が用いられるようになりました。
さらに、1834年にはドイツのハインリッヒ・レンツがレンツの法則を発表し、これらの発見により電磁気学の急速な進展と、電気と磁気の実用化に向けての大きな第一歩を踏み出したわけです。
各法則を確かめる実験をすると、以下のような結果になります。これらは今でも小、中、高校の理科の実験で行われているものです。但し、強力な磁石、多くの巻数のコイル、高感度の検流計が必要です。
- 棒磁石をコイルに近づけるときと遠ざけるときでは、検流計(G)の振れる向きが反対になる。すなわち、コイルに棒磁石を近づけるときと遠ざけるときとでは起電力の向きが互いに反対になる。
- 棒磁石を動かす速度が早いほど、検流計(G)はよく振れる。すなわち、起電力は大きくなる。