磁気特性と磁化曲線について
3.パーミアンス係数
図3のように、あらゆる形の磁石には磁化と反対方向の磁場(反磁場)Hdが必ず発生します。
この反磁場Hdは磁化の大きさに比例し、下記のように表されます。
Hd = -NJ (N : 反磁場係数)
このときNは反磁場係数と呼ばれ、磁石(磁性体)の形状によって決まる数値です。通常、反磁場係数Nの代わりに、次式で定義されるパーミアンス係数Pcを使って磁場解析をすることが多いようです。
Pc = -Bd/Hd
一般的には磁化方向と垂直な断面積が大きいほど、また磁化方向の厚みが薄いほど反磁場Nは大きくなり、逆にパーミアンス係数Pcは小さくなります
ここで図4のように、Bdは動作点上の磁束密度、Hdは動作点上の磁場強度となります。
言い換えると、BdはB-H減磁曲線上で磁場が反磁場Hdの強度の時の磁束密度ということになります。
このパーミアンス係数Pcも反磁場係数Nと同じように、磁石の形状によって決定されます。
パーミアンス係数Pcと反磁場係数Nの間には、次のような関係が成立ちます。
Pc = (1-N)/N
また、B-H減磁曲線の原点と曲線上のBd、Hd点を通る直線はパーミアンス直線と呼ばれ、この直線の傾きがパーミアンス係数になります。逆に、磁石形状によるパーミアンス係数が分かればパーミアンス直線を引くことができ、B-H減磁曲線との交点の動作点を求めることができます。